開発途上国における盲導犬普及の可能性

アッシャー症候群との闘い! > コラム

現在、某開発途上国に長期滞在しているが、盲導犬は一度も見かけたことがない。

白杖による視覚障害者の単独歩行も極めて少なく、ごく稀に見かけるのは、限りなく物乞いに近い大道芸人くらい。道端で下手くそな歌を唄ってはお金をもらっている。
(商売目的で盲人を装ったニセ盲人の可能性もあり)

その理由はいたって単純で、

・歩道や歩道橋が極端に少ない
・歩道があっても段差と障害物だらけ
・歩行者用信号が極めて少ない
・歩行者用信号があったとしても車優先
・交通量が極めて多い
・運転が乱暴でスピードも出し過ぎ
・命の値段が極めて安い(はねられて死んでもせいぜい数十万円)
・野良犬や放し飼いの飼犬が極めて多い
・狂犬病が多い
・日差しが強烈で暑すぎる

という環境だから。

視覚障害者でなくても、この国でウロウロ歩きまわるのはあまりにもリスクが高すぎる。
(現地人はほんの数十メートルの移動でも必ずバイクに乗る)


そして本題の盲導犬だが、これはある程度インフラが整っていて交通ルールも遵守される環境でないと普及は不可能だとわかる。

信号もなく右から左からひっきりなしに車やバイクやが猛スピードで行き交う状況では、敏捷な犬でも渡り損ねることがある。
(実際たまに轢かれてミンチになっているのを見かける)
そもそも、野良犬や放し飼いの犬がどこにでもいる時点で、近所の散歩すら難しい。

日本で訓練した優秀な盲導犬をここに連れてきたとしても、おそらく役には立たない。少なくとも、歩行者用信号ができて、野良犬がいなくならないことには話にならない。

つまり、盲導犬は先進国でしか普及し得ない。

日本の社会基盤がいかに整備され成熟しているかを思い知らされる今日この頃。



■あとがき

これが今年最後のメルマガ配信になります。

少し気が早いですが、メリークリスマス&ハッピーニューイヤー。

良いお年を。


< 癒されない傷、満たされない心 | コラム | 藤圭子さんの網膜色素変性症が宇多田ヒカルさんに遺伝!? >

トップコラムプロフィールリンクサイトマッププライバシーポリシー